阪神淡路大震災

 六千四百三十三人もの貴い命が奪われた阪神大震災から十七日で丸十年を迎えた。十六兆三千億円が費やされた復興事業で街は着実によみがえり、被災地の人口も震災前を上回った。しかし、一方で災害復興住宅の高齢者支援や地域のコミュニティーづくり、住宅再建をめぐる法整備など課題も残されている。
 昨年は国内外で自然災害が猛威をふるい、震災の教訓を役立ててもらう被災地としての責務が、重い意味を帯びた。十七日に兵庫県公館で開かれる「阪神・淡路大震災十周年追悼式典」でも、こうしたメッセージが「1・17宣言」として読み上げられる。十八日からは世界で起きる災害被害の軽減を目指す国連防災世界会議も神戸市で開かれる。県の生活復興調査では、約八割が「被災者と意識しなくなった」と回答し生活面での復興も達成されつつあるが、高齢化率が四割を超える災害復興公営住宅の問題など今後の課題も多い。
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【震災から復興へ10年の歩み】
 7・ 1・17 午前5時46分、地震発生
    1・20 新幹線「新大阪−京都」運転再開
    1・22 政府、「非常対策本部現地対策本部」設置
    1・24 「激甚災害」に指定を閣議決定
    2・ 6 自衛隊による倒壊家屋解体処理開始
    2・15 神戸市、仮設住宅入居開始
    2・25 国、「阪神・淡路復興対策本部」発足
    3・29 兵庫県内の下水道ほぼ復旧
    4・ 8 新幹線「新大阪−姫路」81日ぶり運転再開
    4・17 神戸市、全戸通水(約65万戸)
    4・26 震災から100日
    4・27 自衛隊全面撤退
    5・ 2 伊丹市、避難所閉鎖
    7・21 中国自動車道復旧
    8・11 兵庫県、応急仮設住宅すべて完成
    8・20 神戸市、避難所閉鎖
 8・ 4・28 そごう神戸店、1年3カ月ぶり全面再開
    7・ 4 国道2号全線復旧
 9・ 3・ 2 大丸神戸店全館営業再開
   10・12 震災から1000日経過
10・ 4・ 2 野島断層に北淡町震災記念公園オープン
    5・15 「被災者生活再建支援法」衆院可決
11・12・20 神戸市の仮設住宅解消
12・ 1・14 被災地の仮設住宅入居者ゼロに
    1・17 震災から5年
    2・23 政府の対策本部が解散
13・ 1・17 神戸21世紀・復興記念事業が開幕
14・ 4・27 人と防災未来センター開設
15・ 4・26 同センター2期施設、ひと未来館開館
    8・28 兵庫県「復興十年委員会」が発足
16・11・ 1 神戸市の人口が152万581人となり震災前を超える
17・ 1・17 震災から10年